色んなものを 見よう
色んなところに 行こう
色んなものを 感じよう
 
一緒にね
 
 
 
       夏はすぐそこに
 
夏 去年は色んなことがあった
ありすぎた
 
志々雄との闘いの中 君のもとへ帰りたいと願った
縁との私闘では 永遠に君を失ったと思った
 
今でもあの時の残像が 脳裏に刻み込まれて 離れない
忘れられない
否
忘れてはいけないんだ
あの姿を 思い出すと
 
君を もう二度とあのような目にあわせてはいけない
 
その誓いが 更に 深いものとなる
 
 
 
 
そんな思い出
愛しの人に目をやると
なにやら 一生懸命針仕事をしている
 
「薫殿? 何を縫っているのでござるか?」
「えへへ なんだと思う?」
 
「?薫殿の着物にしては 色がちと 渋いでござるな」
 
「うん 父さんの浴衣なの」
 
「お父上の?」
 
「そう 剣心に着てもらおうと思って」
薫が 花のようにふわっと笑った
 
「拙者 そのような大切なもの 気が引けるでござるよ」
 
「何で?箪笥にしまっておくより その方が 父さんも喜んでくれると 思うわよ?」
ちょっと すねた顔でこちらを見てくる
 
「しかし・・その浴衣には 薫殿とお父上の 思い出があるのではござらんか?
それを 拙者のような・・」
 
言葉半ばにして薫殿に軽くつねられた
 
「いてて・・薫殿?」
 
「だからよ」
 
「?」
 
「剣心の言うとおり この浴衣で毎年父さんと 縁日に行っていたわ
この浴衣には 父さんとの思い出がたくさん詰まっている」
 
「では・・」
 
「だから 剣心に着て欲しいの
父さん昔 言ってたわ いつか自分より大切な人が出来たら
今度は その人と 新しい思い出を作っていきなさい って・・」
 
「・・薫殿・・・」
 
「だから・・ね?剣心に着て欲しいの」
少し不安げに こちらを伺ってくる
きっと 拙者が承諾するか不安なのだろう
 
そんな心配は一切不要なのに
 
 
あんなに慕ってたお父上より 薫は自分のことが大切だと言ってくれる
それが どんなに嬉しかったか
 
気が付いたら 拙者は 薫を引き寄せ 胸のなかにしまいこんでいた
まるで 宝物をしまいこんだ子どもの様に
 
「/// あの・・ 剣 心?」
 
「ありがとう 嬉しいでござるよ」
 
「・・・」
 
「これから先も その先も 何年後もずっと
薫殿と 思い出を作っていきたい」
 
「剣心・・」
 
「拙者にとっても薫殿は 一番大切な人でござるよ」
夏はすぐそこ
そして 秋 冬と
共に季節の移ろいを感じていこう
すっと ずっとね
 
 
 
 
 
 
あとがき     
ウフフまたあま〜いですな
熱すぎて 脳みそ沸騰
勢いだけで書きましたから・・・